1999

aftersun/アフターサンの1999のレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
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いつ何が起きるんだ...と震えながら見ていたらエンドロールになって、ポカーンとしてしまったけど、エンドロールの最中から胃の辺りからぐるぐるとしたものが湧き上がってきて涙が出そうだった。
今、思うことは観終わった時のあの感覚はきっとソフィにもあったんだと思う。
ソフィもカラムがどんな思いを抱えていたのか、想像でしか、そして完璧には理解できない。
それは映画を観ていた私達も一緒だ。
映画というのは登場人物でさえ知り得ない相手の心のうちを私達観客には教えてもらえたりする。
でも、カラムはそれさえ私達観客にもしなかった。
私達は経験するまで他人の感情など理解できない、痛みも喜びも。
解らなくても寄り添うこと、想像することは出来る。
しかし、大事な相手だからこそ解りたいのにもう解ることは出来ないというのはとても悲しいことだと思う。エゴでしかないんだけれど。
そのソフィの孤独感を私達まで追体験するような映画だったと思う。
私は鏡を使ったカメラワークがだいすきなんだけど、それがたくさんあったし、面白いなこういう表現の仕方があるのか、というシーンもあって芸術点が映像、ストーリー全てにおいて高かったと思う。
これは本当に観てよかった。
久しぶりの映画館で観たのがこの作品で本当に良かった。かなり好き。
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