ヒラセシオ

aftersun/アフターサンのヒラセシオのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.8
ソフィアコッポラのsomewhere 的な映画を期待して見に行ったら、いい意味で裏切られた。

基本的にはカラムとソフィの2人だけの視点で進む映画。この2視点は不思議なくらい対極で、ここにvideoという中立な視点とレイヴのフラッシュバックが挿入される複雑な構造。

昔のvideoを観ていると、どこか懐かしい気持ちになったり、またもや何故か悲しい気持ちにもなる。これは、videoに映っていた当時に感じていた感情と、今それを観ている自分の温度差のせいだろう。

under pressureの音楽と詞が絶妙に映画とシンクロしてた。(映像に合わせた編曲が素晴らし過ぎる)
実は映画を観ている時は、よくわからないシーンも多く、頭が追いついてなかったが、レイヴでこの曲が流れて踊るシーンは、頭じゃない心に響く美しい瞬間だった。

映像と編集によって、現実と虚構をカメラの水平移動によってひとつなぎにしたエンディングの着地は圧巻だった。
ビデオ→現実→ソフィの想像。これらがまるで円を描いたようなカメラワーク。
全てが循環しているかのよう。
ヒラセシオ

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