すけ

aftersun/アフターサンのすけのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.2
映画も音楽も芸術作品も、こんなにも世に溢れていて手軽に触れられる。どんな作品だって、アレとココが似てるって感じるのは当たり前。それなのに、“新しい”と感じる作品がまだあったことに、まずは感動した。

暗い映像の中に流れる、2000年代のホームビデオの動作音。最近聞いてなかったな、スマホがないってこういうことだな、と感じているうちに20年前の映像に心が溶け込んだ。
最初は全く分からない。いろんな視点が混ざった映像が淡々と切り替わる。どういうことだ?と考えているうちに画面は映っている。いろんなパーツが組み合わさって、きっとこういうことなんだ!と自分の中での答えが見つかった時にはもう目が離せなくなっていた。
娘と父の危なっかしさにヒヤヒヤしながら最悪の展開を予想するも、そうはならない、ずっとその裏切りの繰り返し。説明的要素は一才省いて、映像だけで勝負した、そんな映画だった。心に残り続ける作品になった。
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