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aftersun/アフターサンのteramovoのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.2
イギリス/アメリカ製作なんだと後で驚ける作品。

冗長なシーンのセンスが良い。思春期の娘と離れて暮らしているお父さんの距離感がいい台詞量になっている。これが一緒に住んでいたり、娘が幼かったりすると、ブレる部分が出てくる。10秒を超えるカットを多用できるには登場人物のバランスも重要であることがわかった。

宿に着いて、親父がタバコを吸いに外に出るシーン、トランジションがヤバい。タバコを吸い終えるまでの長いカットでそのままブラックアウトしてもおかしく無いのだが、繋がりを見つけトライしたのが痺れた。
あと、長いディゾルブ。飛行するパラグライダーからプール、長い。しかし、パラグライダーがしたいソフィの思いも含まれていて、効果的だった。鏡越しからのTV反射、計算され尽くされたフィックス。ゆっくり右パンからwe are the perfect。映像へのこだわりを多く感じた。

父と同じ歳になった事を印象付けるダンスホールのシーンが導線になりつつも、この映画を観る上でそこを排除して純粋に親と子の話と見る事も可能であった。イイ映画だ。
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