萌

aftersun/アフターサンの萌のネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

全シーン好き。空気感が大好き。夏のバカンス、ゆっくり時間が流れていくのが伝わってきた。真夏なのに日差しが暖かい感じ。父親目線、ソフィ目線、現在のソフィ目線、すべてを網羅していて感情がぐちゃぐちゃになって立ち直れなくなった。

忘れられないシーンが二つ。壁掛けの鏡、テレビ、テレビに反射する2人が同時に映る「11歳のとき、将来は何をしてると思ってた?」とソフィがインタビューするところ。
たくさんの視点から同じ場面を見せる発想が凄すぎた。
テレビに反射する2人はいびつで表情も見えないのに、その場の空気と子どもの純粋さと父親の気持ちを思うと、わたしもその部屋にいたような気持ちになるくらいの没入感があった。

もう一つはラストシーン。一番好きなラストシーンだと思う。under pressureをこんなにマッチさせることってできるんだ。名曲を使うのって勇気がいるし難しそうだけど、こんなにいい曲だったっけと思えるくらいハマってた。観終わってから3回くらいこのシーンだけ見返した。Spotify開いてデヴィッドボウイも聴いた。

ソフィは父親と過ごした夏を現在の視点から追体験し、父親の気持ちを理解した。31歳の若きお父さんは、子どものソフィから見るといいパパだったけど一緒にいれない理由があって、腕を骨折していたり、ベランダの手すりに立ったり少年のような危うさも持ち合わせていた。幼い娘の父親であり、悩める1人の人間だった。
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