11歳のソフィは、離れて暮らす31歳の父親・カラムと共にトルコのリゾート地で夏休みを過ごした。その20年後、当時の父親と同じ歳になったソフィは思い出のビデオテープを再生し、、、
とある親子の微笑ましい夏の数日間を切り取った映像。たったこれだけなのに、こんなにも色んな感情でぐちゃぐちゃになってしまうなんて。
ソフィはこの夏の後、しばらくビデオテープを再生できない時期があったかもしれない。ただある時を超えてからは、何度も何度も見返しては考え続けていたかもしれない。これも敢えて多くを語っていないからこその憶測でしかないのだけれど、つい見えていない部分について想いを馳せてしまう。
そういえばあの時もしかしたら、と後から気づくことを何度も何度も咀嚼して、自分の中で答えを作り上げていく過程を想像するだけで胸がきゅうっとなる。その一方で、誰にも知られずひとりぽっちで大声を上げて泣く夜の辛さもうんと分かってしまう。
ただ、2人の過ごした時間には確かに愛が溢れていた。本当の親子のような自然体の距離感、演技がとても良かったなあ。
温かくて優しく、ほんのり寂しくなってしまう思い出。生きることってどうしてこうも難しいんだろうか。