さあどうしよう。
こういう映画を観たあとは、ただ余韻を味わっていたい。自分ごときが何を書くかなんてどうでもいい、と思ってしまうんです。
物語性はよわい。ほのめかされるものは多いけれど、個人的には謎解きや「正解」は必要ない。映像が喚起する何かを感じるための映画だ。
カメラがゆっくりと動く。何かがフレームインしてくる。観ているこちらの心がざわつく。
ノイズが画面いっぱいに映る。
人が、全身を震わせて泣いている。
寸断された記憶と、記録された映像とがスクリーン上で混ざりあう。
サウンドデザインもまた秀逸。「アンダー・プレッシャー」をあんな風に響かせるとは。
