わかめ

aftersun/アフターサンのわかめのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

不思議な後味

泳いだ後の午後とか、夏休みの終わりが近づいて来ている日のような気持ち

楽しい人々が集まっているのに、なんだか寂しさもあるリゾート地のなかにふたり
大人になるにつれて、100%の純度の「楽しい」はなくなって、楽しいの中に少し寂しいが入っていくんだなと



キラキラしたジャケットを着た老人が歌うUnchained Melody 、フリードリンクのリストバンド、硫黄の匂い、ポラロイドが現像されるまでの時間、犬が鳴く夜道、ビデオカメラの機械音
何かが起きそうで起きない、独特な緊張感の中でバケーションが進んでいく様子は、父の心の不安定さや危うさのよう
個人的に1番心がざわざわぞわぞわしたのは、夜の海のシーン。やけに長く感じた


Under pressure のシーンが良すぎて、自然と涙が出て来た
これからこの曲を聴く度に、今作を思い出すんだろうな
重圧に押し潰されそうになりながらも、なんとか生きている父の心情そのもののような気がして、この曲を元にして映画が作られたかのような親和性

自分はハッピーエンドや希望を持たせる終わり方の映画が好きで、何度も観たくなるんだけど、この映画はなんか違うのに、ずっと心にひっかかってて、この作品のことばっかり考えちゃう

今まで観た映画の中で過去一の余韻
わかめ

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