CHEBUNBUN

蝶の命は一日限りのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

蝶の命は一日限り(2022年製作の映画)
4.0
【婆さん、不屈の歩み】
ある目的のため、目が悪くなり身体も鈍くなった老婆が歩き続ける。テオ・アンゲロプロス的360度パンの中で時空跳躍を行う演出が面白く、老婆をカメラが追い越しゴミの山に辿り着くと老婆が前を歩いているショットに痺れ、また老婆の記憶の断片を象徴するような壁にかけられた幾つものガラスが印象的であった。

他にもバキバキに決まった構図で階段を捉えながら、老婆が昇る様子を数分間に渡り撮り続けたり、突然「ゴールデンアイ 007」さながらの潜入ミッションが始まったりと予測不能な展開を通じて「ある真実」を語ろうとするアプローチが好きであった。映画祭ならではの映画である。
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