Mayumi

葬送のカーネーションのMayumiのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
3.6
難民の祖父が亡き妻の棺桶を背負って孫娘と故郷を目指す話というと、題名からしても非常に重く深いテーマで哲学的なのに、どこか寓話的。
ドキュメンタリー感もあるのに何故かユーモラス、どうみても救われない話なのにほっこりもする。

冒頭から祖父はちっとも孫娘を可愛がっていないのが示唆される。
その妻の遺体のことしか頭にない祖父の厳しいばかりの態度に、達観したようなムカついたような冷たい目で見返す少女の表情が見事!
主人公の彼女は本当の難民の少女でこの映画が初演技、監督は全く演技指導をしなかったと試写会あとのティーチインで教えて頂いた。
少女はずっと手袋をしているのだけど、実際彼女の手がケロイドになっているらしく(見逃した!)それで何をするにも手袋をはめたままだったのね…と納得。

最後に…フィルマークスさんの感想を書くことが条件での試写会だったわけですが、更にアンケート用紙が配られ、鉛筆も用意されていなくてたった1本のボールペン待ちになったのはいかがなものでしょう?
Mayumi

Mayumi