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草原に抱かれて/へその緒のJellyfishのレビュー・感想・評価

草原に抱かれて/へその緒(2022年製作の映画)
5.0
都会に住むDJが、兄が世話している痴呆症気味の母親を引き取って、一緒にモンゴルの原風景を探す旅に出る話。
原題は「臍帯 / The Cord of Life」、つまり臍の緒のこと。劇中で象徴的に使われるので、これを完全に無視した邦題はいかがなものかと思う。

冒頭、映画のリズムに馴染むまで多少かったるく感じるが、30分過ぎ以降、主人公がDJであることが効いてくるあたりから俄然良くなり、草原で繰り広げられる「夜会」でクライマックスを迎える。二人が探していた「半分枯れた木」は何を意味するのだろう。

ラストは、え、もう終わっちゃうのという感じ。音もモチーフの一つで、ちょっと「裸足で鳴らしてみせろ」を思い出してしまった。低調な下半期にあってこれまでのベストと思う。

監督はモンゴル出身の若手女性監督 チャオ・スーシュエ。中国若手監督によるノスタルジー満載な映画 (「春江水暖」とか「小さき麦の花」とか) が好きな人にはオススメ。
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