このレビューはネタバレを含みます
内モンゴル自治区が舞台。兄夫婦が認知症の母親の世話をしていたが、そこに弟のアルスが来る。アルスは認知症の母親を故郷の家に連れて帰る。母親の思い出を頼りに"半分枯れた木"を探す旅に出る。
兄夫婦の認知症の母の世話、それをみて弟が母親に同情してしまい兄から「偽善者」と呼ばれる場面。
なにかの儀式にもみえてしまう宴で火の粉が舞うなか、母と結んであった縄を切り、母と離れる。弟は一人湿地の草原を走る。姨捨山、モンゴル草原の老人ホーム。
美しく解釈したいのと現実的な部分の問題とがあって演出でそれをみせたドラマ。
兄夫婦、弟も身内だけでは母の面倒をみる解決はなく、土着的、伝統的な宴と表現でイコール集団性、社会、他人からの理解や幇助を得なければ現実も映画も答えの出し方は難しい。
半分枯れた木は弟一人が見つけることになり、母が見られなかったのは残念。