てるる

イグジステンズのてるるのレビュー・感想・評価

イグジステンズ(1999年製作の映画)
3.8
『背中から始めて、脳でイク』

そんなキャッチフレーズで公開されてた奇作。
マルチプレイ出来るゲームの世界に入り込んだジュード・ロウとジェニファー・ジェイソン・リーのゲーム実況中継的な作品。

こんなB級臭い映画にジュード・ロウが出たこと自体ちょっと驚きだけど、監督がデヴィッド・クローネンバーグだけあって世界観から小道具に至るまでどこか退廃的で官能的。

骨で組み立てた銃は、人の歯を弾として使う。たまに虫歯や銀歯があるのがシュール。
魚か何かの有精卵を孵化させて作ったという肉塊のようなゲームポッドはグロくて斬新すぎるし、それを脊髄に開けたバイオポートという穴にへその緒のようなケーブルで差し込んでプレイするという先進的過ぎる方法。
そしてそのゲームポッドや背中の穴を弄るジェニファー・ジェイソン・リーが何かエロい。
他にもウィレム・デフォーやイアン・ホルム、サラ・ポーリーなど個性的な俳優も良いスパイスになっててクセになる。

ゲームの中でゲームをすることになり、主人公たちも観てる側も、これが現実なのか虚構なのかだんだん分からなくなる。二転三転する展開、今自分がどこにいるのか把握できなくなる内容はインセプションを先取りしてる。

万人にオススメ出来る内容じゃないけど、映画館で観て以来何度か観てしまうクセになる映画。

デヴィッド・クローネンバーグとデヴィッド・リンチの関係って、村上龍と村上春樹の関係に似てるなってふと思った。
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