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独裁者たちのときのkikuのレビュー・感想・評価

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)
5.0
独裁者たちのとき(2022)
哀愁たっぷりのスターリン、可愛いおじさんチャーチル、芸術好きアピールのヒトラー、威張りんぼのムッソリーニ。デカい音と派手な画で胸ぐら掴まれて上げさせられた感じ。
いい顔で語り合うスターリンとチャーチル。
普段はMCUやDC映画を劇場で観る事が多くて、アート映画だけどもMCUやDC映画とそんなに遠くないと思った。
実際の本人達の映像を無理やりパッチワークの様に使って、あり得ない組み合わせの会話をする。オーソン・ウェルズのフェイクみたいなサンプリングと、不気味な違和感と歪みが、あの世感、亡霊感になってると思う。
不意を突かれる様なデカくて派手な映像と音でびっくりした。マルチバース要素も入っているし、78分で長さもちょうど良い。
会話のやり取りに笑っちゃうけど、恐怖もバリバリ感じて、やっぱりコイツ等は人でなし?とも思った。会話のやり取りからその怖さを感じるんじゃなくて、死体の山に平然としたり、独裁者でいる事の快感に酔ってる感じ、こんな奴らに付いて行ってる人達もいて。間抜けなオッチャンの顔とのギャップ。
歴史とか政治、宗教に詳しかったら、台詞の意味や細かい描写も解って、もっと楽しめるかも知れない。皮肉たっぷりのジョークだとか、不謹慎な感じだとか。なんとなくしか解らないけど、笑っちゃうし、怖いし。
アニメぽいけど、アニメじゃない、押井守のアヴァロンを思い出していた。
全体的にモヤがかかってる感じのあの世。綺麗な画だなぁとずっと思ってたし。
「君生き」で盛り上がってる最中だけど、映画館で観て良かったと思うし、デカい音で観るのがベストだと思った。
後ろに席の方が、ガッツリ寝ていらしたけども・・俺は好きだよ案件。
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