ファイブ・デビルズのたそのネタバレレビュー・内容・結末

匂いで時を超えるという、新しい感覚のタイムスリップもの。

嗅いだ匂いで、幼い時とか特定の時間のことを思い出すことあるよなあ、と思いながら観ていた。

ただこの映画は素敵な思い出の時間にタイムスリップするのではなく、母親の触れられたくない過去へタイムスリップする。

父親がちゃんといる子供にとっては母親がレズビアンだと後から知ったらそれは存在の否定にあたるのかもしれない。映画を観ている1人としてそれはそれほど衝撃的な事実ではなかったけれど、子供にとっては足元が崩れるような衝撃的な事実だったのだろうと思う。

この設定や"衝撃的な事実"を活かすためには90分は短すぎたかもしれないし、ヴィッキーとジュリアの攻防も見てみたかった気はする。ジュリアの「全部分かっているのよ」をもっと膨らませてほしかった。
しかしこの映画は台詞が少ない気がした。そうしたところや、最後のシーンで過去の自分を見つめるヴィッキーについても、観ているものに委ねているのかもしれない。