購入していたブルーレイが届いたので再見。
やはりエドワード・ヤンの群像劇は骨太だし、なによりもまさにそこに存在していた人々を映し出した空間を切り取ったカメラの置き方が本当に好きで彼の映画の沼から抜け出せない。
様々な人間関係において代替が効く世界で生きていると実感することが多々あるんだけど、今作で表現されていることってそういう世界だよなぁと再見して思った。
表面的には明るく見えるトレンディドラマの様相だけど、孤独に押し潰されそうな人々が慰め合い生きている病理的な社会が描写される。
そして、これは今まさに自分たちが生きる社会でもある気がするのだ。
今作に濱口竜介が寄せるオピニオンコメントに「エドワード・ヤンは"どうしたら私たちはこの社会で、他者とともに生きていけるのか"という問いを決して投げ出さなかった。」があるが、エドワード・ヤンのフィルモグラフィの中でも『恐怖分子』、『牯嶺街少年殺人事件』と続き、今作から意識的に変えていっているとしか思えない人生へのまなざし。
［2024年 66本目］
