ぶっちゃっけ、一本の映画としては如何なモンか?と思わないでもない。
でも、あの曲に併せたあのエンドロールで、何だか素直な気持ちというか、アメコミが好きになった頃を思い出していた。
嫌いになれないヨ、これは。
MCUの大成功により、エンターテイメントの最高峰に到達したと言って良いヒーロー映画全盛の時代。
そのバックラッシュの様な乱造による質の低下と批判の嵐。
何だが辟易するけれど、誤解を恐れずに言えば、そもそもコミックスなんだよ、たかだか。
しょーじき、くだらないモンです。
めちゃくちゃなモンです。
でも、そういうモンだからこそ出来る遊び心やアイデアの閃きこそをオレたちは愛していた筈。だからこそコミックスは偉大なのだ。
時代の徒花の様に散っていたヒーローや忘れられた映画たちを、MCU以前は失敗作ばかりの様に捉えられがちだけれど、そんな事は無い訳で。
やっぱり長く並走してきたファンやマニアたちにとっては掛け替えのない作品たちなのだ。
それに対する率直なオマージュと、それをひとえに可能に出来たライアン・レイノルズという人の度量の大きさを改めて思う。
デッドプールというキャラクターのユニークさも、また。
まぁ、でも全部が全部が良いって訳じゃないですよ。
さすがに完璧な幕引きだったマンゴールドの映画をイジる開幕は怒られて当然だと思うし、ノーウェイホームと同様あまりにもハイコンテクストな一見さんお断り仕様のこういう映画の、本作は究極というか、行き止まり。
というか、それだけしか無い映画だからコレ。
マルチバースというコンセプトの限界も十二分に実証しつつ、かつての西部劇映画の様に時代の流れの中で淘汰される予感を引き摺りつつ。
It's something unpredictable, but in the end is right,
I hope you had the time of your life.