このレビューはネタバレを含みます
いや色々と物議を醸している作品だけに言いづらいけど、めっちゃ良かった。。刺さった。。
ただ主人公が小児性向かどうかって点が今ひとつ引っ掛かる。まぁ過剰な(直接男児に手を出すような)描写がなかったから、ギリギリセーフなんじゃないかと。それ自体はただの性癖であって、罪を問われるようなものじゃない。
だから、もし本当に所謂「ショタコン」だったとして、そのアイデンティティーを自己肯定する行動を取っているとまでは俺は思わなかった。それも1つの生きづらさの種として描かれているんじゃないかと。
そもそも本当にオフフレームで男児に手を出している設定なら、子供は集まってこなくなるはず。
ウサギも、うーん、やっぱ人間かて家畜を殺して食べている種族なわけで、ウサギも決して例外ではない訳で、それを言うと「ほえる犬は噛まない」なんてもろアウトやし。極論、人と人が殺し合う戦争映画はどうなるんですか?って思う。
この種の残虐性が肯定される描写ならポリコレ的にアウトやけど、この作品は決してそうじゃない。
ただ生理的に無理って方だと「アウト!」だろうなと。
ダメな人は受け付けない映画であることも理解できる。
でもむしろ、俺はそれよりトキシック・マスキュリニティーの胸糞悪さを味わった。
でもこれはもう、そういう主題だから。
マッチョ神話の崩壊っていうのに通ずる世界的流行テーマだと思う。
昨年のクライ・マッチョやパワーオブザドッグ辺りから、急激に人気になった主題だなと。
詰まるところこの作品が描き出すのも外部者が理不尽に疎外される社会構造であり、所在無さと寂しさである。そしてそこにミッドエイジクライシス問題が絡み、メランコリックな空気を帯びている。
語らずに見せる、という映画文法に則した秀作だと感じた。
ただし、撮影現場で子どもを不当労働させた云々はこれら映画の内容とは全く別次元の問題なので、その辺は本当なら断罪されるべきだと思います。