猫目

理想郷の猫目のレビュー・感想・評価

理想郷(2022年製作の映画)
3.8
野生の馬🫏
フランスからスペインの小さな村に移住してきたアントワーヌとオルガ夫妻。この村を有機栽培農業で再生したい。が既に外資から風力発電開発の話を持ちかけられている村人からは疎まれ、陰湿な嫌がらせに遭う。


【ネタバレ】

陰鬱な話なんだけど、風景が美しいからか苦しくなるほどではなかった。酒場のシーンは小汚かったけど😅
なぜこの村を選んだのかキラキラ語るアントワーヌだったけど、この村に生まれ育ち、縛り付けられ(野生の馬の儀式で何かが!)たあの兄弟に理解はできないだろうなぁ。アントワーヌの言い分は意識高い系の人達の上から目線にも感じた。
あの兄弟は風力発電で村を理想郷として取り戻したかったのではないか?

中盤一つの出来事を境に、この映画の視点が変わります。
それまで、アントワーヌのやり方に意見をしても、止めることはなかったオルガ。夫を立てるタイプの女性として描かれているのかなと思ったけど、実はとても芯が通っていて冷静に物事を判断していく方だった。ラスト兄弟の母親に手を差し伸べるところは、「理想郷」を築くため、正しく人と向き合おうとしたのかなと思った。
娘と母の対峙の長回しは見応えあったし、それが功を奏すラストはサスペンスとしての面白みもあり、そちらに興味のある人も置いていかない作り。
この女性に主体性を持たせる構成も、監督の狙いだったのかなぁと。

全然番犬にならないティタン🐶が唯一の癒し
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