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マンティコア 怪物のmamoのネタバレレビュー・内容・結末

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ベルムト監督作を見ずに鑑賞したので、
監督が良く使う技法と知らなかったが、
見る人に想像させる、
描写を省略した間がとても印象的だった。


以下、ネタバレ含む。

心の闇を現すようなメインビジュアルと
「人間の心の闇のタブーに踏み込む、
衝撃のアンチモラル・ロマンス」
というテキストから、
主人公のフリアンに注目させられ、
「欲望は目覚める」のキャッチ通り
フリアンを中心にストーリーは進んでいく訳だけど、
世間的にNG(犯罪)であるフリアンの性嗜好は、
理性で押さえなければいけないもので、
(フリアンの葛藤とか精神的苦痛は、
 もちろん伝わったけど)
個人的には、ディアナがフリアンの元に
戻ってくる事*の方に怖さを感じた。

*ただの共依存なのかな?
 例えばフィーダーのように、
 自分の心を満たすために相手を太らせるとか、
 下手したら相手に依存させるところまで
 いってしまうのでは‥と思ってしまったのと、
 現時点で彼女はそこまでしている訳でなく、
 勝手な想像で彼女を遠ざけるのは間違っていて、
 その想像をしてしまった自分に対する怖さもある。

また、「誰も傷つけていない」
というフリアンのセリフがあるが、
頭の中の欲望・妄想を、
人の目に触れる状態にしてしまった時点で、
その一言は違うのでは?
と思ってモヤっとしたのだけど、
偏見を恐れずに言うと、そういう思考
(傷つけてると思ってない)が
犯罪への第一歩なのかなとも思った。


※上映後の映画ライター高橋諭治さんの
 お話がとても面白かったです。
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