このレビューはネタバレを含みます
ベルムト監督作を見ずに鑑賞したので、
監督が良く使う技法と知らなかったが、
見る人に想像させる、
描写を省略した間がとても印象的だった。
以下、ネタバレ含む。
心の闇を現すようなメインビジュアルと
「人間の心の闇のタブーに踏み込む、
衝撃のアンチモラル・ロマンス」
というテキストから、
主人公のフリアンに注目させられ、
「欲望は目覚める」のキャッチ通り
フリアンを中心にストーリーは進んでいく訳だけど、
世間的にNG(犯罪)であるフリアンの性嗜好は、
理性で押さえなければいけないもので、
(フリアンの葛藤とか精神的苦痛は、
もちろん伝わったけど)
個人的には、ディアナがフリアンの元に
戻ってくる事*の方に怖さを感じた。
*ただの共依存なのかな?
例えばフィーダーのように、
自分の心を満たすために相手を太らせるとか、
下手したら相手に依存させるところまで
いってしまうのでは‥と思ってしまったのと、
現時点で彼女はそこまでしている訳でなく、
勝手な想像で彼女を遠ざけるのは間違っていて、
その想像をしてしまった自分に対する怖さもある。
また、「誰も傷つけていない」
というフリアンのセリフがあるが、
頭の中の欲望・妄想を、
人の目に触れる状態にしてしまった時点で、
その一言は違うのでは?
と思ってモヤっとしたのだけど、
偏見を恐れずに言うと、そういう思考
(傷つけてると思ってない)が
犯罪への第一歩なのかなとも思った。
※上映後の映画ライター高橋諭治さんの
お話がとても面白かったです。