セッセエリボー

父は憶えているのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

父は憶えている(2022年製作の映画)
3.7
『馬を放つ』の冒頭も橋を渡るシーンから始まった。細い橋を渡っていると向こうから誰かがやってくる。『馬を放つ』ではそれはイスラム教徒で、あの時は存在感を強めつつあるとはいえイスラム教はキルギス社会とは別のものとして描かれていたが、今作ではイスラムの価値観がマジョリティと言ってもいいほど影響力を持ってキルギス人の生活に浸透している。周囲に馬鹿にされながら捨てられた過去の遺物を拾い上げる老人をここでも監督自ら演じていた。前を通ると舌打ちするおじさん、字幕を読み上げるおじさんなど観客層がこわかった。