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微笑みの女王のTnTのレビュー・感想・評価

微笑みの女王(1926年製作の映画)
4.1
ある家庭でこきつかわれる娘、エラ・シンダー。彼女は家の釜戸で一生懸命働き、継母には蔑まれる。そんななか、彼女は近々町で、ハリウッド女優を募集すべく美人コンテストが開かれることを耳にする…。「シンデレラ」を喜劇風にしたものらしい。確かに、靴を置いていってしまうわかりやすいオマージュがあった。またシンデレラを文字ってCinder(消し炭)として、彼氏はIceman(氷屋)であるというのが気が利いてる。

今作品、予想以上に面白いコメディ映画だった!主役のコリーン・ムーアがかわいい。チャップリンにも通ずるような悲哀や三谷幸喜映画にみる役者たちの可笑しさも感じられた。チャップリン、ロイド、キートンなどの男性陣のコメディアンばかりが取りざたにされるが(確かに面白いけど)、こんなコメディエンヌもいるのかと新たな発見。コリーン・ムーアの"フラッパー"な当時最先端なファッションとコロコロ変わる表情。様々な困難に立ち向かう姿をついつい応援したくなる…。コリーン・ムーアの目がギョロギョロ動くシーン(合成)はちょっと怖かったけど。ほんとに表情豊かです。
チャップリンの「黄金狂時代」にもあった靴を持ってダンスするくだりは当時の流行りかも?

また、この物語では映画内映画が出てくる。エラが重役に話をつけようと入ったらそういった設定の撮影現場だったり。またエラが貧しい役をしているのを勘違いして、彼氏がこんなところにいちゃだめだと連れ戻しに来たり笑。このシーンは映画内映画のドラマと現実のドラマが混ざって非常にロマンチックだった。ちなみにその彼等を追う映画監督は、この映画を撮影した監督本人であるというところがまた面白い笑。
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