南森まち

春に散るの南森まちのレビュー・感想・評価

春に散る(2023年製作の映画)
2.8
不条理な判定負けをして日本に失望し海外で活躍したボクサーが40年ぶりに帰国した。立ち寄った居酒屋で、かつての自分と同じような若者に出会う…というお話。

桜。男の生きざま。「春に散る」というタイトル。…だいたい想像通りのことが起こる映画でした。言うなら、「あしたのジョー」と「ロッキー」を足して2で割ったような映画。きちんと王道展開を踏むんだから文句はないけれど、非常に「よくあるお話」として小さくまとまっている。
こんな大昔にこすり続けられた内容で最新作なんだから、邦画はマジでヤバいと思わされた。

試写会前に、アナウンサーが「ボクシングは12ラウンドまであるので、それだけは知っててくださいね!私は知らなくて『いつ終わるの!?』とハラハラしましたから!」という助言をしたのはナイスフォローだったと思う。
製作側がこの映画のファン層をどこにおいているか知らないけれど、だいたい見るのは横浜流星ファンだろう。

そしてそのほとんどの人はプロボクシングについて網膜剥離もタイトルの仕組みもラウンド数も知らないと思う。きちんと映画内で説明しないのは不親切だと思う。
大手紙に連載してた有名作家のタイトルだからたぶん見に来てくれるから安く作ろう、そんな思惑で出来たように見える映画でした。