樺太柳葉魚

エリザベート 1878の樺太柳葉魚のレビュー・感想・評価

エリザベート 1878(2022年製作の映画)
3.5
平民女性の平均寿命が40歳という時代に40歳を迎えたエリザベート皇后。美貌に衰えの兆しが現れ、女性としての自信まで失いかけている。とにかく細く見せようとコルセットで極限まで締め付ける姿は現代女性と通じるところがある。夫はもう女として見てくれないし、従兄弟という関係以上に親しい男も深い部分では繋がれない。妹とも疎遠になり、息子は遠くへ行ってしまい、娘にはあまり好かれてない。皇后だからって何でもかんでも手に入るわけではない。皇后を讃える歌が空々しく聴こえ、心を許せる相手が侍女(?)のマリーしかいない。贅沢な暮らしをしても孤独。マリーを自分の代役にしたら、何も知らない娘から「今日は威厳があった」とか言われて可哀想すぎる。なんとか自分を取り戻そうと足掻くけど、八方塞がりな感じが辛い。皇后の寿命だって平民女性よりとてつもなく長いって事もなかろうから、晩年ですよね。死を間近に見据え、自分らしく生きたいという気持ち、分かる。それにしても、この時代って服着たまま風呂に入るんですね。
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