" 甘く見ないで わたしは強いのよ "
ヴィッキー・クリープスの演技に酔う、それだけで大いに価値ある本作だが、シネスコワイドの画角を最大限に生かしたジュディス・カウフマンの撮影も大変美しかった。
テーマ性から想起するのは、やはり「スペンサー ダイアナの決意」であり、実際クリスティン・ステュワートも本作を絶賛している。
伝記物としては、モダナイズされたテンポと、歌モノ多めの劇伴が違和感なく馴染んでいる。ガーデンパーティでハープ演奏にて弾き語られる" As Tears Go By " が忘れられない。
前景化すると思われた、ルッキズム、家父長制、ジェンダー問題も、クールにユーモアすら交え描かれていた。
コルセットの拘束に、皇室のしきたりに、象徴として祀られる己自身にも中指を立てた、ロッキン皇妃の逃亡日記。
そしてエンドロール‼︎!