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エクソダス 爆弾に取り憑かれた男のyadokariのレビュー・感想・評価

3.6
WOWOWの録画。ポーランドの人気連続ドラマを映画化したクライム・サスペンス。ポーランド映画といえばアンジェイ・ワイダがいるように硬派な東欧的な映画スタイルだろうか?面白いのは、警察の管理システムとギャングの世界的ネットワークはプーチンのロシア国家みたいな世界観だった。警察が一人の男の私物とされているのや、ロシア・マフィアやアフガニスタンなどの犯罪組織はリアルなグローバル化された裏社会の構図なのかなと思えてくる。日本だと中国マフィアが暗躍するというような。

ほとんど爆弾魔のマフィアのボスと警察官の私怨を交えた対決なのだが。息子世代の話にもなって、こういうところの息子はバカ息子がいるのはどこの国も一緒なのか?それによって溜飲を下げるように見えているのだった。

結局は権力社会には敵わないということなのか?ロシア映画を見ている気持ちにさせられる。それはロシアもポーランドもそんなに変わりないがないというような。金儲けしようとするとヤクザまがいの商売だし、どこか警察も裏社会とつるんでいなければ犯罪組織に立ち向かえない。ただ映画のように緻密な組織ではなく、現実はもっと穴だらけなんだと思うが。

ポーランドという旧共産圏の映画だけに、ハリウッドにはない緊張感があった。笑いの要素がまったくないのだが、どこか可笑しい狂気の世界を孕んでいるのだった。
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