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ほの蒼き瞳の悠のレビュー・感想・評価

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)
3.7
クリスチャン・ベイル扮する元刑事が、陸軍士官学校での殺人事件を捜査する本格派ミステリー。ダンブラウンのラングドンシリーズを彷彿とさせる、実在の歴史とリンクした宗教色の強い展開に胸を躍らされます。話そのものの面白さに加えて、ランタンを片手に霧の立ち込める森を彷徨うシーン等、仄暗く妖しい雰囲気の演出も素晴らしかったです。
特筆すべきは陸軍士官学校時代のエドガー・アラン・ポーが主人公の相棒として登場する点。俳優の容姿が彼に似ていることも相まって、まるでポーが書き記さなかったノンフィクションの物語があったかの様にも思えてきて、ますます妄想を掻き立てられます。ヒッチコックという名前の大尉が出てきたりもするので、原作者の相当なミステリー好きが窺えました。虚実の塩梅がとても巧い作品でした。
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