1860年代のアイルランドを舞台に、何ヶ月も食事を摂っていない少女の観察を依頼された看護師が辿る運命を描いた作品。
セバスチャン・レリオ監督の最新作であり、『ナチュラルウーマン』や『グロリアの青春』とは全く違った雰囲気。
何が起こっているのか、何が起こっていくのかが掴めない独特なストーリーテリングがクセになる。
敬虔な信仰心に囲まれた、絶食という少女の選択。
何がそれをさせているのか。
宗教と科学が混在する閉鎖的なコミュニティで展開する物語は、現代にも通じる不条理さと齟齬を感じる。
創られた物語の中にいるのか外にいるのかというメタ的な要素も、この作品をより奥深くしている。
フローレンス・ピューはさすがの演技。
音楽もいい。