本作は、朝鮮王朝時代の記録物『仁祖実録』に基づいているらしい。
ソヒョン世子の急死は、毒殺説を含む様々な憶測を呼んでいるが、真意は依然として明かされていない。
その『仁祖実録』に記された『怪奇の死』とは、“朝鮮に戻った王の子は、ほどなくして病にかかり命を落とした。
彼の全身は黒く変色し、目や耳、鼻や口など、7つの穴から鮮血を流していた”
という内容。
この謎の怪死は本当に実際のところ何が起きたのかわからないが、『梟フクロウ』はこの史実の断片を独自に脚色したものである。
私は朝鮮の歴史の知識は無いが、そこそこ楽しめた。
朝鮮史に詳しければ、より一層面白く感じるのかもしれない。
日本の宣伝ポスターなどでは、ややホラーっぽい雰囲気だが、そういう要素は無い。
心霊現象は無いが、主人公の鍼師が盲目という設定上、暗いシーンが多いので、なんとなく恐怖を演出する感じにはなっている。
綿密に組み立てられたサスペンスがとても面白い。
ストーリーのテンポもいいので最後まで退屈しないで観れた。
歴史ミステリーだがスピード感があり、非常にスタイリッシュで美しい作品だった。
映画館で観たかったな〜(笑)