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梟ーフクロウーのhrmのレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
4.1
「え。なにこれ、めちゃくちゃおもしろい。」

映画評も聞いてはいたけれど情報を入れないように耳が流していたため、「主人公の目の特徴」という言葉と「かなり暗い画面が多い」ことしか記憶に残っておらず。
事前に入っていたのは以上二点の情報と、印象的なポスタービジュアルのみ。
予告も見ずに臨めた幸運。
時代設定やジャンルもよくわからないまま映画の世界にぽんと放り込まれてとても楽しかった。
コミカルなスタートから一転してサスペンス感溢れる中盤、韓国映画らしいラストとあっという間の118分でした。

スクリーンか映写機材のランプの影響か、ミハマは画面が暗いので「かなり暗い」シーンの数々を観るのが不安でしたが問題なし◎
主人公の視界と観客の視界がシンクロするような映像表現がとても新鮮。

序盤、主人公が位の高い登場人物と会話をした際に出てきた「心の荷物を降ろされれば…」の言葉選びがとても美しく感じられて印象的でした。
日本語訳もよかったのかも知れない。
目上の方に対しても初対面の方に対しても失礼がなく、心遣いが行き届いた上にやさしさが伝わり敬いも充分に伝わるであろう美しい言葉。
こんな風に言葉を使えるひとになりたい。
その後の流れを含めて、劇中でいちばん好きなパートだった。

コミカルな役柄でしか見たことがなかったユ・ヘジンの迫力ある演技にも好感度が上がったし、内容もメッセージ性のあるどっしりとした余韻に満足。
アン・テジン監督、51歳での長編映画デビュー作、素晴らしかったです。
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