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猿の惑星/キングダムのTKのネタバレレビュー・内容・結末

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

最高の冒険アクション映画。
ジェネシスから続く三部作の続編として、人類が衰退しまくっている中で独自の文化を形成する猿たちのコミュニティを見るのが面白いが、そこからノアの冒険に繋がっていくのが素晴らしい。
動機付けもしっかりしているし、ノア達猿に感情移入して見入ってしまうも、人類の叡智を取り戻さんとする高度な知性を持つ人間が現れて一気に不穏な空気が流れ始める……。
ノア達イーグル族と人間のメイは協力するが、全てを終えた今、それが正しかったのかどうかはわからない。
かつてのシーザーの教えにのっとり、プロキシマス・シーザーを否定する事を選んだノアだが、教えや人間への扱いに怒って対立したわけではなく、故郷を追われ父親を殺された恨みから対立していたのだ。
ラストシーン、ノアとメイが最後に出会い、別れを告げるシーンからがこの映画の面白いところだった。
お互いにお互いの種族の事を最後まで信用できなかった。それでもラカから託されたシーザーの教えと、「大切な事」をメイに託す事で完結するかと思われた。
ノアとスーナが天体望遠鏡で空を見上げるのと同時に、メイが入手した「本のような物」を使って人々は通信技術を取り戻した。パラボラアンテナが示し、メイが見上げたのは通信衛星であろうか。
同じ場所を、そして異なる物を見つめる猿と人の描写が、共存など不可能なのだと思わされるようなラストシーンだった。
人として観ればハッピーエンド。でも、これは猿に感情移入して猿の目線で観る映画でもある。猿の目線で観るとこれは果たして美しい終わりと言えるのだろうか。
シリーズ最新作にして名作であった三部作の続編としても素晴らしい完成度の映画だった。
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