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猿の惑星/キングダムのIKのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.7
長期間野ざらしにされてボロボロになったり、自然に飲みこまれて一体化しつつある廃墟の姿が個人的に好きなので、それを壮大なスケールで惜しげもなく見せてくれるだけでもワクワクした。
また未知の世界を探索し、新たな場所や仲間を見つけ更に冒険を続ける様は、オープンワールドRPGをプレイしているような感覚で、ウェス・ボール監督が実写版「ゼルダの伝説」監督に抜擢されたのも納得できる。

そしてファンタジー一色ではなく、プロキシマス・シーザーがシーザーの言葉を悪用して支配を正当化していたり、猿側に取り入る事で生き延びようとする人間がいたりと、妙に生々しさが感じられる箇所もあって面白い。

ストーリーは若チンパンジー・ノアのド直球な成長英雄譚で、ストレートな王道だからこそ熱くなる所もある。
反面それ以外の要素はあっさり目で、そこまで印象に残らなかった。
特に人間であるメイとの交流は、今後の事も考えるとじっくり時間をかけて密度濃い目に進めた方が良かった気が。
途中で叫ぶシーンは「猿の惑星:創世記」のシーザーを彷彿させるものの、あの時ほど溜めや爆発力はないし、終盤のとある行動もショック度合いは薄く、ラストの展開込みで「お前は峰不二子か」という印象しか残らなかった。

ただあの結末を見る限り、ここから色々と大変なことになっていきそうなので、その顛末は割と楽しみ。
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