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サウンド・オブ・007のleylaのレビュー・感想・評価

サウンド・オブ・007(2022年製作の映画)
4.0
007シリーズの60周年記念に製作された、音楽にスポットを当てたドキュメンタリー。

ファンでもなく、テレビで数作しか観てないモグリですが、知らない人はいないであろうあのテーマ曲は大好き。ゴージャスでエレガントでスリリングでメランコリックで、唯一無二です。

1作ごとに時代に合わせてアップデートしながら、過去曲のリスペクトの上に成り立っている007の音楽。驚異的なシリーズなのだと改めて思いました。テーマ曲の原曲が聴けたのも貴重だったし、編曲したジョン・バリーさんの敏腕ぶりがカッコよかった。

007に携われるのは音楽関係者たちの憧れでありステータスでもある。その代わり、プレッシャーも大きいわけで…
その辺のエピソードやさまざまな裏話をそうそうたる関係者たちが語っています。

特に印象に残ったのがダニエル・クレイグが初めてボンドになった作品。プロデューサーに反対されながらも、テーマ曲をあえて最後まで封印し、ラストに一気に盛り上げる大胆な演出。ダニエルボンド誕生の瞬間をテーマ曲で表現したことに鳥肌が立ちました。

ルイ・アームストロングの遺作は007だったんですね。そのエピソードは製作者たちの畏敬の念が滲みでていてウルッとしました。

名作には名曲ありき。映像と音楽の化学反応が007シリーズの強みだと証明したドキュメンタリーでした。今作はファンじゃない私が楽しめたので、ファンの方ならもっと胸熱になるはず。
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