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あしたの少女のもちのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
3.5
オンライン試写会にて鑑賞。気になってた作品だったので観れてよかった。


学校から実習先として紹介されたコールセンターで働くことになった高校生のソヒ。
はじめは期待に胸を膨らませていたが、電話口で毎日罵倒されたり非現実的なノルマを押し付けられ、ソヒは次第に変わっていく。

心臓をギュッと握られたような苦しみがずっと続く作品だった。
ダンスに夢中で、友達とふざけるのが好きで、そんなどこにでもいる少女の心が少しずつ壊れて行く姿が観ていてつらかった。
元気で感情豊かな子だったのに、ボーッとするようになり、感情の変化も乏しくなってお酒ばかり飲むようになる。(韓国では多分年齢的に飲酒OK)
辞めたくても学校の先生からのプレッシャーがあったり、貧しい家庭環境で親に心配をかけられないから一人で耐えていたんだろうなと思うと涙が出た。

コールセンターの仕事なんてどう考えても高校生ができるわけないのに、当たり前のように何も知らない子どもを利用し、搾取してそれを何も悪いと思わない大人たち。
劇中でも言っていたけど、大人は大人で自分が生きていくために必死で、悲しいけどこれが現実なんだなと痛感した。

あと原題が 다음 소희 (直訳すると“次のソヒ”)なのもなかなかキツかった。似たような状況で苦しんでいて、”次のソヒ”になり得るかもしれない人がいるってメッセージが込められてるんだろうなと思う。韓国だけじゃなく日本でも起こる可能性はゼロではないし、この話を他人事として片付けてはいけないと感じた。
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