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あしたの少女のchinsukoのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
3.8
実話ベースだけに、スッキリしない着地に悶々

韓国で起こった事件をベースにしたストーリーで、みる者を惹きつける構成は見事。

前半と後半で展開が分かれ、前半は高校生のソヒがインターンとしてコールセンターで働く3ヶ月を描く。

ソヒのコールセンターの仕事内容はクレーム処理なので精神的に疲弊する。しかし慣れてしまえば良い訳で、個人差はあるがソヒの場合吸収が早く、トップの成績を修める。
しかし問題は、実習生としての契約であり、さらに職業斡旋する高校にも問題がある。
この辺は良く描けているが、実話という事で実際の現状なのであろうか、描写にリアリティがある。

後半は、ユジン刑事がソヒの自殺の背景を調査していく。

前半はソヒ視点の展開であったが、後半は刑事視点で、ソヒを直接的に追い込んだ人間はもちろん、上長や教育長にまで出向いていく。
この辺は小気味よい描写が続いてよかったのだが・・・

本作は実際の事件をベースに、問題提起を確かにしている。
しかし、本作に登場した組織の人々にどの程度届いたであろうか、些か疑問は残る。
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