EmmA

あしたの少女のEmmAのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
4.0
2017年に実際に起きた事件を基に
コールセンターで実習生として搾取され
自殺してしまった高校生の実話と
その事件を追う刑事のフィクションで
構成されていて見応えがある

韓国の激しい競争社会を
こういう形で見るというのも衝撃
学生だけでなく高校までも秤にかけられ
生き残るためには何でもやるという感じが
人々の思考を麻痺させていくのだろう

一種の詐欺の片棒を担がされて
実習生だからと仕事に見合った対価も貰えない
そりゃ死にたくもなるわ
あんなに溌剌とした子だったのに

ダンスが好きな事すら知らない親の無関心さ
就業率を上げる道具としか思っていない教師
ノルマばかり課して不都合な事は黙らせる会社
傍観者を貫く教育庁をはじめとする各官庁

そのどれもがソヒを殺したんだと思う

こんな世の中なら出生率が下がるのも
頷けてしまう悲しい現実を突きつけられた


この映画が作られて
2023年には職業教育訓練促進法の改正案が
国会を通過したらしい
「トガニ 幼き瞳の告発」が公開された後も
トガニ法が成立していたし
韓国では映画が社会的影響を及ぼすことも
多いように思う
EmmA

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