Paula

エブリワン・ウィル・バーンのPaulaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

"The road to hell is paved with
 good intentions"
悪事は善意に隠され、たとえ利他的な行為でも時には、悪事となってしまう... なんてね? だから地獄への道が善意で舗装されているから、大抵の人が、その道を選ぶという事。

映画の冒頭の橋の欄干の上に立つマリアが川の深淵をのぞき込む幻想のような様子は、南北戦争中を舞台に人の死をブラックに描いた短編小説『アウル・クリーク橋での出来事』に登場する農夫ファーカーに起こる人の死に達するまでの超時間的なタイムラグのファクターが、今マリアが神に背く欄干の上に立つという自殺行為そのものが、彼女の心とそれを取り巻く周りの闇の不安定さが、現実なのか空想なのかが不透明になり、また後の軟骨無形成症であるルシアという超自然的能力を持つ、サディスティックな性格を兼ね備えた怪人との出会いに関わってくる。

それに反して、村人たちが、マリアの息子ロロの悲惨な最期を知りながら、彼らは彼ら流の黙示録による終末論を信じることで妄信を通り越した狂信的宗教観によって、マリアの狂気がまさに覆い隠され、舗装道路のようにあたかも善行を実行しているように見え、彼女は村人と対峙し敵対する。

「エンガチョ」気質の映画として...
昔は、別の意味で使われていた遊び言葉として、今は人を仲間はずれにする合言葉となっている。

この映画には、ルシアを演じたソフィア・ガルシア以外にもう一人軟骨無形成症の俳優さんが登場する。その彼女が映画についてこう語っている。
「障害はルシアのキャラクターのもう一つの特徴であり、プロットは軟骨無形成症を中心に展開するものではないので、私はこの映画がとても好きです。」それと「障がいが生まれつきなのでそのことは感じていません。」とも...

個人的には、フィルム・スコアは肌に合わなかったけれども外見だけで人を捉え、虐めを繰り返す日本の社会にどっぷりとつかっている方には、理解が難しいのかもしれません。
Paula

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