なつかし二番館

⻘いカフタンの仕立て屋のなつかし二番館のレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
4.1
モロッコの首都ラバトの対岸にあるサレのカフタン職人の物語。
雇ったばかりの見習いに技を教えるって,待遇良過ぎじゃないのと思うが,そうしないと誰も来ないのかな。
若い職人は熱心と思っていたら,そういうことか。
夫婦で町に出かけるのに妻は顔を隠さない。夜間戒厳令で身分証持ってないと難癖付けて兵隊に連れて行かれそうになるって,モロッコもやっぱりそういう国であるには違いない。西サハラも軍事占領してるし。
主人はずっと妻と連れ添っていて,今不治の病と闘っている妻を支えることが一番である。父に虐待された過去を癒やしてくれたのが妻なのだ。
家に閉じこもりになるようになり,近所の人が流す音楽で踊る台詞で,妻が歌詞を口にし,夫が「リーフ語で歌ってる」,妻が「初めて聞いたでしょ」と言ってるから,妻はベルベル人か。
家で仕事をするようになり,青いカフタンは家で仕上げようとする。妻は最高のカフタンだ,自分もこんなのを着たかった,当時は若くて主人はまだ作れなかったけど,と語る。
最後主人は自分がGBであることを告白し,妻に隠して行為を続け,傷つけたと謝る。妻は「あなたの妻でよかった」という。
青いカフタンもほぼ完成したが,主人はまだだ,と言う。
妻が死に,白装束でくるまれるが,主人は手伝いの女たちを追い出し,青いカフタンを着せる。あっけにとられ誰も寄ってこない中,主人と弟子の2人はカフタンを着た遺体を墓場に運ぶ。

いい映画なのでゆっくり見たかったが,期限が近いので少し早回し。