ぷりん

薔薇の名前のぷりんのネタバレレビュー・内容・結末

薔薇の名前(1986年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

中世のキリスト教のバックグラウンドを知らないと、あまり面白い作品ではないかもしれない。

当時、キリスト教の「神」から恩寵を受けるには禁欲が必要とされていた。これは、ストア派が「魂」の声を聴き出すには禁欲が必要とし、その魂が、いわゆるプラトンによる「イデア」の世界にあることから、その「イデア」が「神」に置き換えられたことによって成立したロジックである。
つまり、当時の修道院の主流はプラトンでなければならず、それゆえアリストテレスが禁じられていたわけである。

当時、アリストテレスは異端であったし、現代でも、アリストテレスの目的論などは間違っているとされている。しかし、アリストテレスの「ことば」たちには、どこか人々の心をつかんで離さない力がある。いつの時代も、アリストテレスが受け入れられるのは、たとえそれが間違いでも、私たちが本当は「笑う」ために生きているからかもしれない。
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