ユウサク

To Leslie トゥ・レスリーのユウサクのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
2.2
4K

自己責任論を押しつける不快な作品。アルコール依存症を「病気」と表現しておきながら医学的な面からの治療には一切触れられず根性と共助でどうにかしろと上から目線で吐き捨てる。子を捨てたのは母一人の責任であると言わんばかりに不在の父親にはノータッチ。レスリーの夢が叶うのは男に助けられたから。金をせびったであろう取り巻きがレスリーをクズと罵り、中途半端な謝罪でお茶を濁す。レイプ未遂犯には大した罰が与えられないし私刑によるものなのでかえって暴力が肯定されちゃってる。全部ダメ。

じゃあ肝心のライズボローの演技が素晴らしかったのかというとぎゃあぎゃあ喚き立ててるだけ。怒鳴ったり叫んだりして下品に感傷的な場面を演出することに慣れてない白人俳優たちには逆にこれが新鮮だったんだろうか。普段のライズボローとのギャップで演技を評価しているのだとしたらそんなことこっちは知ったこっちゃない。他の作品の方が断然良い演技してると思う。たしかに前半と後半で基本の表情はかなり違うんだけどメイクもかなり変わっているので裏方の貢献が大きいのでは………?

ライズボローに主演女優賞はおかしいと思う(実際獲らなかった)けどロイヤル役のアンドレ・ロヨに助演男優賞ならわかる。キャラ良過ぎた。しかし人種的なステレオタイプも結構はっきりと設定に付与してる感じがしたので肯定していいかは微妙。
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