このレビューはネタバレを含みます
落ちぶれていく演技がすごくリアルな映画で、綺麗に纏まってる印象。
人との温かいつながりが描かれていて、最後のダイナーでの息子との抱擁シーンは勿論涙が溢れた。だけどそれ以上にそれをしっかりと見つめて、心から良かったと思ってるのが伝わってくる、周りの人々の表情にすごくやられた。
途中、全ての行動の結果が現状だと言われるシーンは本当にグサリときた。誰のせいにもできない誰でもない自分の人生。やったことは取り返せないし、それを悔いて傷となり一人では乗り越えられないほどになることだってたくさんある。
だけど、そんな時にその傷と一緒に向き合ってくれる人との出会いは本当に宝だと思う。モーテルの2人の距離感がすごく良かった。後、息子さんも、絶対いい人だという感じがひしひし伝わってきた。
上手くまとまりすぎで、最後は全てうまくいく感じとかは少し気になるけど、この先の彼女はきっとまた苦しむことになるし、人に支えてもらいながら、時には支えながら、自分の傷を抱えながら生きていくのだろう。(ただもうちょっと自分の力でなんとかして欲しいという気持ちは否めないなと思った。なんだかんだ誰かが助けてくれているところが彼女自身の成長よりも周りの人々の優しさにフォーカスされてしまう感じがした)
それと音楽がすごく良かった。
バーで何気なくかかっている曲に耳を傾けてそれにより自分の人生に染み渡る瞬間のシーンが1番好きだった。