若大将オーウェン

イヴの総ての若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
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アメリカ演劇界最高の賞を史上最年少でイヴ・ハリントンが受賞した。そこから様々な人の視点で「イヴの総て」が回想の形で語られる本作。
ただ演劇を熱心に見ているだけだったイヴが信頼を得ていき、どのように賞まで辿り着くのかを見せる展開が面白いが、完璧すぎるところや作られた笑顔に妙に嫌な予感が漂う。
そして遂にイヴが本性を現してからの後半にどんどん引き込まれた。これは毒をも食う女一代成り上がり物語だったのだ。
イヴはアメリカ映画悪役ランキングで『ウォール街』のゲッコーより一つ上の23位にランクインしているほど映画史に残る悪い女かもしれないが、イヴのように成り上がっていく女優は古今東西いるし、愛を犠牲に偉大になることに執着し、実際に成功したイヴはどこか清々しいとすら思った。
ラストはショービジネス界では、今後も歴史は繰り返されるといった感じで女の怖さを描きながらも、女優讃歌にもなっていて面白いなぁーと思いました。