イヴの総ての作品情報・感想・評価

「イヴの総て」に投稿された感想・評価

「イヴの総て」を観ると、ホントひとの悪口の勉強になりますわな(;^ω^)
というぐらい本作の登場人物はシニカルで、毒を吐く人ばかり。

あの「サンセット大通り」を破って1950年のアカデミー作品賞を獲得した名作だけど、個人的には「サンセット大通り」派です。
ちなみに文豪・谷崎潤一郎も淀川センセのインタビューで「サンセット大通り」の方が好きだと答えてました。

これも説明するのも野暮になるぐらいの有名作で、マリリン・モンローが端役として出演していることでも知られる作品。

監督&脚本はビリー・ワイルダーのライバルといっていいジョセフ・L・マンキーウィッツ。

野心あふれる女優イヴが周囲の人々を踏み台にしながらスターダムを駆け上がる姿を通し、華かな世界って実はこんなもんよとシニカルに描いている。

サラ・シドンズ賞という、あんなアカデミー賞のような俗物ではない本当に権威ある(というフレコミの)賞を史上最年少で獲得したイヴ・ハリントン(アン・バクスター)。

拍手喝采の中、受賞の模様を冷めた目で見ていた連中がいた。

大女優のマーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)筆頭に、悪辣な批評家のアディスン(ジョージ・サンダース)、演出家、劇作家とその妻といった人々である。

ほんの数ヶ月前は女優ですらなかったイヴ・ハリントンが何故これだけスピード出世したのか? 彼らのそれぞれの回想からイヴの総てが明かされる。

ワイルダーもそうだが(同年の「サンセット大通り」も然り)マンキーウィッツも回想形式の好きな人で、本作や「裸足の伯爵夫人」でも回想シーンからはじまる。

ただ一人の人間が回想するのではなく、複数の人間がリレー形式で回想して描かれるというのが面白いと思った。

その回想で明かされるのはイヴのあまりにも破廉恥な行為で、本当にアン・バクスターが憎たらしく見える。

ベティ・デイヴィスは一見性格が悪そうな女性に見えるのだが徐々に女性らしい可愛らしさが明かされ、こちらは徐々に醜い本性を現したイヴと対比して描かれている。

あと批評家役のジョージ・サンダースは本作で唯一人オスカーの演技賞を受賞しただけあってひときわ印象が強い。

サンダースは私生活も本作の役柄と同じような皮肉屋として有名で、72年に自ら命を絶つのだがその時の遺書が「退屈だからこの世を去る」というお人。

そして本作の凄まじさはラストシーン。最後のショットに映るのはベティ・デイヴィスでもなければアン・バクスターでもなく、ラスト数分前に登場した人物という点がこれまた痛烈な皮肉である。

ちなみに本作の衣装でオスカーを受賞したデザイナーのイーディス・ヘッドはのちに「刑事コロンボ」の一編「偶像のレクイエム」でご本人役で出演しているのだが、そのエピソードで犯人であるかつての大女優を演じたのは誰あろうアン・バクスターその人である。

あ、あとショービジネスの内幕ものだけあって、タイロン・パワーやグレゴリー・ペックという実名が出てくるのだが、いずれも本作を製作した20世紀フォックス社のスターなのがチャッカリしてますな、ザナックさん。

■映画 DATA==========================
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
脚本:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
製作:ダリル・F・ザナック
音楽:アルフレッド・ニューマン
撮影:ミルトン・クラスナー
公開:1950年10月13日(米)/1951年9月21日(日)
やるよねえ~!う、そうきたか!えーっ、えげつなっ!
ベティ・デイヴィス恐るべし、いや、アン・バクスター恐るべし。いやいや、さらに因果は巡って・・・。ショウビズと言わず、芸能界に関心のある人なら絶対ハマるよ。
薫

薫の感想・評価

4.0
2018年に観ても、古臭さを感じさせず通じるストーリー。
アメリカの演劇界で成り上がる新人女優と、彼女に利用される業界人。ラストの鏡のシーンが強烈です。
こ

この感想・評価

3.9
めちゃおもろ。
強え女がたくさん出てくる。
全てが思い通りになりきってなくて、
皮肉のバランスが非常に良い。
この世を生き抜くには底意地の悪さが必要だな。
幸せになれるかは別として。
煌びやかなショービズ界のドロドロした裏側を皮肉たっぷりに描いた傑作。

アカデミー賞を6部門も受賞した作品。

ノミネート数だと、あの「タイタニック」と並ぶ最多14ノミネート!

映画界最高の名誉を複数勝ち取った作品なだけあって、凄く面白かったです。

高圧的だけど人々から愛される年増のベテラン女優と、のし上がる為には手段を選ばない狡猾で美しい若手女優。

2人のバチバチな関係性に堪らなくヒヤヒヤさせられました。

また、野心しかない若手女優のハングリー精神(=狂気)が本当に恐ろしいです。ほぼホラー。
いつの時代もショービズ界は裏で色々ありそう…。

端役のマリリンは新人女優という役柄も相まって最高にフレッシュ。
スターのオーラとも言うべき華やかさが全身から溢れていました。

マリリン目当てで見ると出番が少な過ぎてガッカリするかと思いますが、ドラマ作品としての完成度が素晴らしいので是非観ていただきたい一本。
文句なしに面白い傑作。

ベディ・デイヴィスの貫禄の自然な演技。
アン・バクスターの悪女ぶり。
脚本、演出、脇役全て良かった。
女のドラマなんだけど、サスペンスの雰囲気。
こんなに有名なのに、何で今まで見なかったんだろう。
やっぱり名作は色褪せませんね。
もう、悪女と言えばアン・バクスターって言ってしまいそうです。
ちょっと日本映画「Wの悲劇」を思い出しました。
ちょい役なのにのマリリン・モンローもキラリと光ってます。

野心家の女怖すぎ!!!😭
死ぬまでに観たい映画1001本より

これマリリンモンローちょい役なのに宣伝の仕方間違ってるね…( ̄▽ ̄;)
50年代によくこんな題材の映画を作ったものだ。
上記の本に書いてなかったらおそらく観ることはなかっただろう。

女とは本当に怖い…
よりセンセーショナルに描いたのが「ネオンデーモン」。
綺麗にまとめちゃったのが、「スター誕生」という感じかな?

あまり爽快なサクセスストーリーを期待するならあまりオススメはしない。
あまりこの表現はしたくないのだが、
「批評家が大好きそうな映画」です。
これがアカデミー賞取るのは演劇会最大級の皮肉だね。
【マリリン・モンローはチョイ役なんだけど…】
◉1951年度アカデミー賞作品賞、監督賞(ジョセフ・L・マンキウィッツ)、助演男優賞(ジョージ・サンダース)、脚色賞(ジョセフ・L・マンキウィッツ)、衣装デザイン賞(イーディス・ヘッド)、音響賞受賞。
◉1951年度カンヌ国際映画祭審査員特別賞、女優賞(ベティ・デイヴィス)受賞。
いやいや、何で作品のポスターがマリリン・モンローなんだよ。しかも大きく「MARILYN」って書いてある。彼女はチョイ役だよ!ベディ・デイヴィスとアン・バクスターが主役なのに!ほんと捏造にも程がある。
元祖女同士の愛憎劇。ベティ・デイヴィス演じるベテラン大女優のマーゴとアン・バクスター演じる見た目は清楚で中身は悪魔のイヴとの泥仕合い。マリリン・モンローはそのドロ沼に参加されてももらえない。
嫌味なベテランババアを演じたら右に出るものがいないベティ・デイヴィスは本当に貫禄がある。ハリウッド女優の中でもかなり好きな女優さん。化けの皮が剥がれた時のアン・バクスターも怖くてゾクゾクする。その周りにいる男たちは本当に…「ったく」って感じ。
Ayu

Ayuの感想・評価

-
マーゴとイヴ役の女優2人がいい演技だった。
そしてマリリン・モンローが出てることによってこの映画が現実となるわけだ。すごい皮肉。
赤鬼

赤鬼の感想・評価

4.8
役者同士のこれ程までに贅沢な競演をここまで素晴らしく形に出来た作品。女優が必ず直面する老いとの戦いや、自分の優しさが裏目に出たり、利用されたり…。だけど、こんな世界で生きて行く為にはきっと全部必要な事ばかりだろう。最後に1人、勝者として佇むイヴの側に若い女性を引きつけるとは何とも皮肉。本当に良く出来た芝居だった。
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