イヴの総ての作品情報・感想・評価

「イヴの総て」に投稿された感想・評価

aquarius

aquariusの感想・評価

4.3
過去に地上波で放送されてたので、観ました。

田舎から出てきた女優志望のイヴか大女優マーゴに近づいてきます。

そこから、マーゴはイヴに人生を狂わされることになるのですが、イヴも恐ろしさとラストも面白かったです。
これも面白かった。“世界”の仕組みを悟らせるかのようなラストのエピソード!(デジャブを感じたのは何故なんだろう?このラストは他の作品も真似している筈だ) 付き人から一気にトップ女優に駆け上がった女性の物語。ただの無名な人間が有名になり始める直前に、一体何があったのか、その頃の話が一番面白いし、普通の人にも参考になる。ただこのお話は参考にすべきかどうかはビミョーですが・・・
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見方によっては、トップの舞台女優マーゴ(=ベティ・デイヴィス)の付き人になったイブ(=アン・バクスター)が、野心を胸に、夢をつかむ努力をして、気を利かせ、気に入られ、チャンスを逃さずに一気にトップの座をつかみ取った成功物語。
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別の見方をすれば、人の好意をあざとく利用して罠に陥れ、女を武器にして人の弱みを握り、出世に利用しようとした、ずる賢い成り上がり者の物語。
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頂点に立つ者の裏にはこういう事は必ずあるもの。才能や努力だけでは、いいとこまでは行っても、トップまではなかなかたどり着けない。コネや運も大事な要素、時には汚いことも必要なのだ。周囲の誰にも気づかれず、狙いの人には有無を言わせない脅しも、ここぞという時には許される。歴史は不可逆な流れ、その流れを一度だけ引き寄せさえすればよい。あとは勝手に流れだし、それは誰にも止められないのだ。
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そういう潮の変わり目を、修羅場を知るトップは誰より敏感にわかる。だからマーゴも見苦しく逆らうことはしなかった。「自分たちも同じ様にして成り上がってきたじゃないか。イブもまた同じ道をたどっているだけだ。だからそのうち同じ様に踏み台にされる日が必ず来る。それがこの世界の法則なのだ・・・」と諦観した感じのラストには唸らされました。
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(これは想像ですが)権力・組織のトップに近い人ほど、イブの行動を否定しないのではなかろうか? トップに登りつめるためには多少の汚いことも仕方ない、それをやり切ることも勇気の一つ。モラルとしては汚いかもしれないが明確にルール違反でないことは悪でもない(必要悪と言う人もいるが)。人につけこまれるような隙を見せる人こそ脇が甘いのだ・・・
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(これも想像ですが)トップへの野心がなく、人並みにモラルのある人は、イブの裏の動きには眉をひそめるだろう。汚いことをするくらいなら、金も出世も要らない。
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トップに登りつめる人はごくわずか。ほとんどの人はそれ以外だから、おそらく後者の考えに近いのだろう。作品中ではイブの仕掛けに気づいても、それに乗らなかった人も描かれる。
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とはいえ、ほとんどの人はトップに立つことを夢見たことがある筈。だからトップの周囲では、トップにそれなりの敬意を払い、裏は知っていても騒ぎ立てることはしない。騒ぐより黙っていた方が“みんな”が得なのだ。
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こうして、トップの地位・権力を握った人の回りには危ういバランスが保たれる。昨今話題になっている日本のスポーツ界やハリウッドのパワハラは、こうしたバランスを温床として長い間続いてきたのだろう(もちろん最たるものは政治の世界だけど)。
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何がしてもよくて、何がしてはいけないことなのか? どこまで許されて、どこから許されないのか? 曖昧な所に線を引き、行動する・しないを決めるのは結局のところ自分しかない。線の引き方は人それぞれ。その引き方で人の人生は左右される。それはそうなんだけれど、個人の判断は社会の基準に左右されるもの、まずは社会の基準の中からダブルスタンダードが少しづつでも無くなっていくことを願っています。
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ちょっと脱線
gon

gonの感想・評価

3.8
主人公の人格がつくりものって感じであんまり引き込まれなかったけど、周りの登場人物がユーモアあって面白かった。

それにしてもポスターが納得いかない。
Moeka

Moekaの感想・評価

4.0
ララランドをふと思い出してしまった。芸術に舞台に貢献したいというよりはただ華々しい女優になりたいという野望。彼らの欲望はこれからも数々の虚像を生んでいく、あのラストシーンにぞくりとしてしまった。年をとってからも役にこだわらず挑戦し続けた生粋の役者ベティ・デイビス。ちょい役のマリリンのくったくのない笑顔とチャーミングなセクシーさに寂しさを覚えてしまう。イヴの総てを知っているように見える、、、はずが全くそんなことははない、清廉潔白を訴える賞も褒められたものではない彼女に与えられる皮肉。これが普遍的なストーリーに感じられてしまうのは楽しいものではないが、、、
Danny

Dannyの感想・評価

4.1
【巡り巡る野望と執念】

年、美貌…避けられぬ定めの中
女優を中心に繰り広げられる、ドロ沼映画。

台詞が一々詩的で深い。
イヴの、そこまでやります?的な変貌は勿論、男連中の私欲の絡みも見応え十分。

これは珍しく、年長者を応援したくなる映画だったな。
終盤の、大人たちの冷めた感じがたまらない。

そしてラストが最高。
よくよく考えたら、躍起にならずとも世代交代は自然に起こるし、皆それなりに落ち着く。
執着して得た結果って、巡り巡って
自分が衰退するのを早めただけのような…刹那。
「試合に勝って勝負に負けた」
正しくこれがしっくりと来る。


でもね、言っとくけど
一番美しかったのは
2分しか出ない上、噛ませ犬の
マリリンだからな間違いなく!
トヨキ

トヨキの感想・評価

3.1
なんかこんなの当たり前に想像してたから、でしょーねって感じ。
記録
ベテラン舞台女優とその女優に憧れあらゆる手でスターダムへと駆け上がる新人女優のドロドロとした女の戦いの怖さを描いた物語。この年のアカデミー賞で『サンセット大通り』と唯一争い勝ち取り、M・モンローが端役で出演し知られている作品である。
50年米。『サンセット大通り』と比べられることが多いが、こちらはジェンダーのお話なので実にタイムリー。女であることをとことん利用するイヴと、トップでいるために「女らしさ」を捨てたと述懐するマーゴの対比。それに挟まれるカレン。べティ・デイビスの素晴らしいリアリティ。『ジェーン』『八月』『フュード』と並べて見るとまたおかし。テクニックも冴え渡る発見の多い思わず唸る作品。チョイ役のモンローが発光している。
aj

ajの感想・評価

4.5
女優の人柄そのものに憧れるものでなく、その女優が持っている地位や名誉に憧れるものだと思った。
でも、そういった人間には純粋に感動したり、胸が動かされるものはないと思った。
R

Rの感想・評価

4.8
すごいっす!!! めちゃくちゃ面白かった! 終わって思わずスタンディングオベーション! まぁまぁ綺麗ではあるが地味なおばさん顔で、若いけど目立った特徴がなく、背も低い一般人のイブ。彼女はとある舞台劇に通い詰めてるんやけど、ある夜、幸運にも主演の大女優マーゴの楽屋に連れて行ってもらう機会を得る。すると、イブの素直で正直で謙遜な人柄がマーゴに気に入られ、彼女の身の回りの世話をする仕事を任されることに。はじめは、ものすごく細かいところまで気配りの行き届く驚異的なほど有能なお手伝いさんくらいの感じやったのだが、そんだけ気が回るてことは、それだけ細かく計略を巡らすことができるということ、彼女はマーゴを取り囲む劇作家や舞台監督などにこっそり取り入って、マーゴからスターの座を奪おうと目論む計算高いビッチだったのだ!という話。序盤は、良さげな人やけど何か引っかかる感じあるよねー気のせいかなーってとこから、ん?やっぱ何かおかしい…あ、やっぱ企みあったのね、え、別人、え、ヤバ、え、怖、と、何層にもかぶっていた猫を徐々に剥がして、本性を露わにしていく様子を、非人間的と言える不気味さで演じたアンバクスターの演技がすごい。一方、40歳になった大スターのマーゴは老いによる自らの地位の危うさを感じつつも、肥大化したエゴで周囲の人間に当り散らしたりしてたのだが、イブに彼女のものを奪われていくのではないかという不安から、逆に人間らしさや女らしさを取り戻す。ってか、それにすがらなければ全て失ってしまうのではと小さくなっていく。その様子がイブとは対照的で非常に面白い。で、その狭間で、振り回されるもうひとりの女カレン。この人の存在がこれまたとても興味深く、3人の女を通して、ホント、女って裏表の差が激しく、大変な生き物だなーと思わずにはいられなかった。ほんにすごい。けど面白いのは、ふつう男って、こういう女たちに振り回されて痛い目見るか、または気づかぬまま不利益を被る、という哀しい愚かさを持ってるものであると思うのだが、本作に登場する男たちは、みな人間観察に非常に優れた人たちなので、ある程度かき乱されはするものの、よくある悪女モノの映画のように、身を滅ぼすみたいなとこまではいかず、ってか、ちゃんとそれぞれ最終的に自制をきかしてくるのが、おー、さすが👏って思った。一般男性だと完全に狂わされてるよね。古くてそこそこ長い映画なのに、一瞬でも退屈だなと思うシーンがない。会話のテンポもいいし、全てのシーンが感情的に豊かで魅力的、かつ全体のバランスがすごく良い。これはホントに名作ですねー。ちなみに途中ちょい役で出てくるマリリンモンロー、この時はブレイク前らしいけど、すごい存在感。彼女の出てくるシーンだけ異様に画面が明るく見えるの、オレだけではないはず。すごい輝きを発してはるわ。マーゴ演じるベティデイヴィスの独特の存在感は言うまでもなく素晴らしいです。泥臭さがありながら、まったく凡夫な雰囲気がない、まさにout of this world! 今回本作を観たの3回目やけど、いままでで一番楽しめた! 1回目は面白いけどビミョーかなぁ、2回目は、面白いけど普通かなぁ、と思ってたのが、3回目でサイコー!!!ってなった。ちなみに、この度この作品を観たのは、本作と欲望という名の電車に深く関連のある、ある映画を久々に見るための復習として見たのであります。が、是非ともまた見たいと思った!
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