のんchan

ナイン・マンスののんchanのレビュー・感想・評価

ナイン・マンス(1976年製作の映画)
4.0
メーサーロシュ・マールタ監督(現在92歳)はハンガリーで初めて長編映画を製作した女性監督。
ご両親を早くに亡くし、孤児としてソ連で育った自身の境遇がべース。
この作品が初カラー作品。一貫して女性の自立、フェミニズムをヒシヒシと感じられる内容でした。
独特なジャケ写はラストでようやく理解に通じます。


ユリは工場勤務をしながら農学を学んでいる。
上司のヤーノシュから気に入られ付き合い始めたが、実は妻子ある大学教授との間に幼い子供がいて実家で育ててもらっているのだった。教授との関係は終わっているが、たまに会ったりお金も貰ったりの少し複雑な関係。そのことを隠していたのだが、やがて秘密が明らかになる。ヤーノシュは子供の存在を受け入れることができずヤケ酒を飲むようになる。お互い身体の関係は離れられず妊娠してしまう。
ヤーノシュは世間体もあり結婚を迫るが、ユリが勉学して自立することは望まず、家庭に入るべきの封建的考え方を押し付ける。
ユリは一人で答えを出すのだった。 


ハンガリーの男性をヤーノシュに喩えるかのように、時代を逞しく生きる女性を応援するフェミニズム映画。
’70年代にしては衝撃過ぎるラストの映像にのけ反ります。これぞ女性の神秘。
のんchan

のんchan