ふみぃぃeeeee

ナイン・マンスのふみぃぃeeeeeのレビュー・感想・評価

ナイン・マンス(1976年製作の映画)
5.0

やはりU-NEXTだな。
途方もない大傑作だったとしか。
ラストシーンは特に有名で、映画史に残るっていっても大袈裟ではないし、福岡に住んでいる人間としては山本華世さんの顔がパッと思い浮かんでくるというようなネタバレも残しつつ。
メーサーロシュ・マールタの作品は『ドント・クライ プリティ・ガールズ!』を劇場で鑑賞したのみ(正直、この作品はピンときていなかった)だったが、今作で彼女のフィルモグラフィを深掘りしたくなってきた。
70年代のフェミニズム映画で最高峰であるのは間違いなさそう。
根本的な問題点として今観てもまったく古びない事が語られている。
女性も男性も社会的な役割を担わされているし、それ自体が規範的となっている世の中では外れていく人間に向けられる視線は冷たいなというのは実感している。
ユリの顔面を捉えるショットが本当に本当に素晴らしい、人間の顔、女性の顔。
そしてある意味、ヤーノシュ(一連の行動自体は絶対ダメだと断罪する)も被害者だと感じて、男として、女としての役割を全うしようとする強迫観念を持たざるをえない社会って一体何なんだろうなと思った。
個人的な話、このような役割から逃げているという自覚はあるし、半ばそれでも良いのかなと考える時もあるけど、ふとした瞬間に潜在的な意識で不安に押し潰されそうになるのは仕方ないことなのか。

[2024年 62本目]
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