浅野公喜

ドール・ハウスの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ドール・ハウス(1990年製作の映画)
3.4
メキシコのある遺跡が発掘されたことで甦った悪霊が、人形製造工場の人形達に憑りつき引っ越して来たばかりの家族を襲う人形ホラー。「ペット・セメタリー」(1989)の奥さん役だったデニス・クロスビーが主演。

少年の人形で1体だった「チャイルド・プレイ」とは違い、こっちは少女の人形。また、家族の家に持ち込まれるのは1体のみですが工場では複数で襲ってくる点は「パペット・マスター」、家族の少女が操られる点は「エクソシスト」にも相通じるものが。

さっきまである場所に居たのにカメラが動くといつの間にか消えたり、ゆっくり頭を動かす様は不気味ですしミシンで手をズタズタにするのは痛そうなうえに悪霊について究明する展開からはストーリーが丁寧に作られているのが伺えますが、人形はチャッキー程暴れるわけでもなくしつこいわけでもなく人を大勢殺すわけでもなく、割と簡単に倒せてしまうので全体的には地味で淡泊な印象が否めませんでした。

終盤には老け顔になり憎たらしい表情にもなりますが、むしろ無表情だった序盤の方が怖く見えたりと、ちょっと惜しい作品。とはいえ安っぽかったり雑な雰囲気はあまり無く人形ホラーを極めたい方なら観て損はしないと思います。
浅野公喜

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