このレビューはネタバレを含みます
分離・結合・半結合を繰り返しアクションシーンのアイディアは面白く、前2作では見れなかった独創性のある戦闘シーンはかなり魅力的。また、前2作が敵味方とも触手を使った戦いでぐちゃぐちゃになっていたところを、今回はシンビオート軍団を登場させるも、触手を使うのは味方だけで敵は純粋にパワフルなだけ、という映像的な見やすさも大変ありがたい。
のだが、ストーリーとしてはかなり粗い、というか凸凹。みんなが見たいエディとヴェノムの珍道中は見ていて楽しいのだがただのロードムービーで、行動目的までもが「ヌルの襲来」というストーリーにほぼ関わらないものだから(ヒッピーファミリーも含めキャラクターは魅力的なのだが)ただただ冗長なだけ。一方、ストーリーを推進する側の研究所のシーンはあまりにも唐突な情報開示ばかりなうえに新キャラばかりで全くもって感情移入できない。そんな彼らがシンビオートと融合して戦っても、アクション自体は面白くてもどう思えばいいというのか。そのくせ、こちらでのみ開示され本来はエディやヴェノムが知らないであろうことまで勝手に情報共有されているのだからモヤモヤする...
ひとまず、オチは付けつつ大ネタになりうるヌルは温存、再開するタネも仕込んでいるという最低限はやっているのだが、ヌルの導入とエディとヴェノムの別れというやることは決めていたのだろうが、そのために無理をしたストーリー進行をしたガタが来ているようにも...