マイケルBジョーダン監督作。初のスライ不在でのロッキーサーガ。クリードシリーズ第3章。
果たしてスライがいない今作。不安を感じながらも観賞。
結果、面白いことは面白かった。
ただ、やはりシリーズとしては少し物足りないように感じる。
一番の理由はアドニスが戦う理由。
今回は兄弟分であるデイムとの、過去の清算がテーマとして描かれる。
共に育った兄弟を見捨てたアドニス。そこには明らかに自責の念があり、その結果として自ら遺恨を生んでしまう。
物語の表面としては、悪役デイムを止めるためにアドニスが挑む、という構造になっています。
それはつまり、アドニスの過去の弱さを清算する物語である、という事。
この「過去の遺恨を晴らす」という理由がシリーズとして、しっくり来ない。
ロッキーシリーズの主人公が戦う理由は、やはり現在の自己証明を通じた前進の物語であるべきだと思う。
それでもアドニスとデイムのファイトシーンは胸が熱くなるし、その後の和解も感慨深いものがある。
見終えた感想としては、色々含むところはあるけれど、面白いことには違いない。
今後このシリーズがどうなっていくのか、変遷するのは時代なのかもなと感じる。