とらキチ

オットーという男のとらキチのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.5
オットーは誰よりも“ハート”の大きい男。

実にトム・ハンクスらしいヒューマンコメディ。そしてニャンコ🐈‍⬛好きにも堪らない作品。
作品紹介では、オットーの事を「偏屈で町で一番の嫌われ者」としていたけど、私にはオットーこそ作中で1番“まともな”人物にしか見えなかった。“近隣の見回り”もルール違反を注意しているだけのごく常識的な当たり前の事だったし、自分が飛び込む前に線路に落ちてしまった爺さんを助けるシーンでも周囲の若者達は助けようともせずにスマホのカメラを向けているだけ、この人達の方がよっぽどどうかしている。マリソル達も、正直言って個人的にはお節介が過ぎていて苦手だなぁ…って思ったけど、そこはストーリーの妙。オットーの気持ちが次第に変化していく姿にコチラはほっこりしてしまう。
2010年代中盤以降、トランプ米大統領就任に始まり、新型コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻と世界中で“分断”が進み、ヘイトが横行してしまっているこの世の中で、今作の描く、他人を思い遣る“隣人愛”がとても心に染みた。
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