NaokiAburatani

オットーという男のNaokiAburataniのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
-
リメイク元の幸せなひとりぼっちは観たかったけど、公開規模小さかったからいつの間にか終わってしまっていた…しかし、今回のリメイクでは主演がトム・ハンクスということで大手シネコンで上映してくれたため無事鑑賞。まぁ、それでも公開して割りとすぐに上映規模縮小していて、映画館も商売なのは分かるが何とも言えない気分になった。本作鑑賞で感動した身からすれば尚更だ。
さて、今回主演のトム・ハンクスが演じるのは現実でもたまに出くわす異常にルールを守る厄介な(いや、正しいのはルール守る方なんですけどね…)オットー。散々予告で「トム・ハンクスが初の嫌われ役に!?」的な感じな煽りがあったけど、エルビスのプロデューサー役の方がガチの悪人だった気が…
それはさておき、彼が何故様々な物事に厳しくルールを守ることに拘るのか、何故様々な物事に怒りを持っているのかが分かった時に最近緩い涙腺が刺激された。どおりで若い時からキャラ変わりすぎだと思ったら…自分がオットーならば同じようになっていたかもしれない。

そんなオットーと交流をするのは向かいに引っ越してきた陽気なメキシコ人一家。妻に先立たれ仕事も失ったオットーが自死を試みるが、とにかく不可抗力で一家(特に奥さん)が阻止してくる。その度にめちゃめちゃ美味そうな飯出してくる様はオットーにとっても空きっ腹で鑑賞している自分にとってもまさに飯テロだった。かくして絶対に死にたい男は異能生存体や不死鳥の聖闘士ばりに尽く死なない身体に。
彼等を通じてそれまで疎遠だった街の住民とも交流していく様が何とも微笑ましい。
果たしてメキシコ人の子供は皆覆面レスラーに憧れてフィギュアで遊ぶのだろうか…
オットーに異変が起こった事に向かいの奥さんが気付いたキッカケもここまでの交流があったからこそという展開も泣けた。

久々に小難しいテーマがなく、どストレートな感動作だった。年取って益々味が増すんだからトム・ハンクスは凄い役者だなぁ。
NaokiAburatani

NaokiAburatani